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鍼灸で夢と希望を

兵庫県芦屋市の針灸専門治療院。JR芦屋駅より徒歩4分のSORA鍼灸院です。

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驚かされました




「驚きの皮膚」 傳田光洋 (講談社)
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 昨年末に後輩から教えてもらい、じっくり読み進めていた本です。皮膚の研究者傳田さんの新書でした。今回もとてもとても面白かったです。

 本書にも書かれているように、皮膚科学研究者としての「皮膚について」は、今までの著書でも詳しく書かれていました(皮膚の構造、触覚だけでなく驚くべき多様な感覚を持っているということなど)。新しい知見も書き足されて、ますます私たちの皮膚をターゲットとする鍼灸治療の可能性を感じました。今までなおざりにされていた「皮膚」という臓器の研究によって、より科学的に鍼灸の効果が証明されていくと期待します。

 さらに、今回は「システム」について深く考えられています。それは身体と環境の境界である皮膚の身体内外の「システム」から、人類の自己意識や社会性の形成についての「システム」まで、非常に幅広く考察されています。むしろこちらに重きを置かれているようです。

 第一部に 「境界に存在する知能」 とありますが、例もわかりやすいものでした。ロボットのようなものも、脳に相当する電子頭脳は必ずしも必要ないということです。最近よくある自動掃除ロボットも、脳のようなもので部屋全体を認識して掃除するわけではなく、目の前の障害物に対応するセンサーさえあれば、その役目を果たすことができます。確かにゾウリムシのように脳を持たない単細胞生物も、細胞膜と繊毛でさまざまな判断と行動を行なっています。そう考えると、人の皮膚にも、そういう機能があっても何ら不思議はありません。まさに皮膚は、「境界に存在する知能」なのです。私たちが反応点を診るときのように言葉や機械では表せない感覚(いつかは表せるかもしれませんが)にも、通じるものを感じました。

 さらに、その脳と皮膚の組織機能が、「もっと大きく複雑な機構、たとえば企業などの組織についても、同じこと」とあります。取締役会のような中枢がいわば「脳」、現場で働く営業マンや販売員が「皮膚」に例えられます。大企業のように組織が複雑になれば全体を統括する「脳」も必要ですが、瞬時な判断と対応は、「皮膚」で行われる必要があります。「脳」の指令を待っていては、手遅れということもあります。また「脳」がだまされやすいということも、想像できます。「皮膚」感覚の重要性をさらに物語っています。

 その辺もふまえて、「皮膚の見えざる能力」、「皮膚とこころ」などと続いて、その後は、「システムと個人のこれから」、「芸術と科学について」にまで及び書かれています。このあたりは、理系の私には難しいところもありました。著者は理系の出身でありながら、文系の頭も持ちつつ、とても尊敬します。

 そして本書を読み終えたあと、さらに驚きが待っていました。それは後輩が、「触覚について詳細に語られている本なのに、表紙の手触りがなんか嫌でした」ということを言っていて、その時はなるほど確かにと思っていました。それで気になって、表紙をはがしてみたらそこにはなんと・・・、それは本を実際に手に取られた方のお楽しみということで。

 おすすめです。(電子書籍はおすすめしません)


カテゴリー:  / SORA鍼灸院 芦屋
 
[ 2016/02/06 18:36 ] | TB(0) | CM(0)
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