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鍼灸で夢と希望を

兵庫県芦屋市の針灸専門治療院。JR芦屋駅より徒歩4分のSORA鍼灸院です。

アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの改訂

 当院には、「アトピー性皮膚炎」の患者さんが多く来られます。「鍼灸院」に来られるということは、「皮膚科」での一般的な治療(標準治療、保険治療)に、何か不満や物足りなさを感じられている方々になります。圧倒的に多いのは、「ステロイド」に対しての不安です。

 皮膚科で治療の経過や外用薬の使い方などあまり説明を受けていない患者さんが驚くほど多くおられます。

 「同じ薬を塗り続けて、だんだん効かなくなってきた。」

 「綺麗になっても、薬を止めるとすぐに症状が出てくる。」

 「副作用や依存が心配だ。」

という声が聞かれます。

 当院の治療では脱ステロイドの方、ステロイド外用薬併用の方もおられます。皮膚の炎症が強い方は、やはり後者が経過は良いです。炎症が治まった後の皮膚もより白く、綺麗になりやすいです。皮膚の炎症が減る分、内臓のケアに手がかけられます。脱ステロイド中で炎症の強い方は、鍼灸治療後楽にはなられますが、持続が短いです。皮膚の炎症にエネルギーが使われる分、消耗も増え、中々内臓が強くなりません。

 お医者さんの主義もあるでしょうが、皮膚科で説明がされれば不安の多くが解決されると感じています。ただ、標準治療でも、完全ではないところがあってそこを鍼灸治療でフォローします。主に皮膚の再生を促したり、内臓のケアを行ないます。

 アトピー性皮膚炎診療ガイドラインは2000年に初めて作られました。比較的新しいです。医療の混乱も想像できます。標準治療は一握りの方だけでなく、多くの方に効果があるからこそ標準治療になります。アレルギーや体の仕組みもここ数年で飛躍的にわかってきたようです。

 そして先月、2009年以来7年ぶりに、日本皮膚科学会が、そのガイドラインを改訂しました。日経メディカルがまとめていたものをいくつか取り上げさせてもらうと、


・ これまで同様、薬物療法の基本は、ステロイド外用薬とタクロリムス外用薬を組み合わせた抗炎症外用薬で、アトピー性皮膚炎の炎症を速やかに、かつ確実に鎮静させること。

・ 再燃をよく繰り返す皮疹に対するプロアクティブ療法を初めて推奨

※ プロアクティブ(proactive)療法とは、急性期の治療により寛解導入した後に、保湿外用薬によるスキンケアに加え、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を定期的に(週2回など)に塗布し、寛解状態を維持する治療法。

・ プロアクティブ療法実施時に、皮膚炎の病勢マーカーとして、TARC を測定することが有用。ただし、血清TARC値は、小児では年齢が低いほど高くなることから、基準値が年齢により異なることに注意。

・ タクロリムス外用薬は、これまで皮膚癌やリンパ腫の発症リスクが指摘されることがあったが、これまでの国内外の研究から「発症リスクを高めるとはいえない」とした。ただし今後、さらに大規模な解析が必要であることから、外用量の制限を遵守することが重要。

・ 経口の抗ヒスタミン薬については、「抗炎症外用薬と保湿外用薬による治療の補助療法」と位置付けた上で推奨。だが、「抗ヒスタミン薬が全ての患者の痒みに効果があるわけではない」とし、痒みへの有効性を患者ごとに評価することを求めた。

・ コントロール困難な患者に対して、シクロスポリンの内服を、「行ってもよい」とした(小児は適応外)。

・ 紫外線療法は、「抗炎症外用薬や抗ヒスタミン薬、保湿外用薬などによる治療で軽快しない例やコントロールできない例、従来の治療で副作用を生じている例に考慮される治療法」と位置付けた。

・ 生活指導に関しては、「汗をかくこと(発汗)」自体に症状を悪化させる根拠はないとし、「発汗を避ける指導は必要ない」とした。一方、「かいた後の汗」は痒みを誘発することがあることから、放置せず、洗い流すなどの対策を行うことを推奨。

・ 妊娠・授乳婦に食事制限(アレルゲン除去)をしても、児のアトピー性皮膚炎の発症予防効果が認められず、逆に未熟児の発症リスクなどが増加していたという研究報告を受けて、「妊娠・授乳婦への食事制限(アレルゲン除去)は児の発症予防に有用ではない」とした。


 などです。下の二つは、かつて言われていたことと、違ってきています。不要な生活への制限が少しでも緩和されていくといいですね。


 改訂ガイドラインは、ネットでも読めますので、ご覧ください。

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016 年版 (pdf)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf

 
カテゴリー: アトピー性皮膚炎 / SORA鍼灸院 芦屋
 
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[ 2016/03/04 11:18 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

詰まるところに、湿疹あり

春と秋に症状の悪化しやすいアトピー。
SORAの患者さんもメンテナンスを頑張っておられます。
冷えや花粉にさらされると悪化しやすいので、お辛いですね。

湿疹は体の中でも滞りのあるところに出てきます。
お顔や関節など、腱の集まる、詰まりやすい部位です。

詰まりやすい部位を施術することで落ち着いてくるのですが、今までひどくなかったところに湿疹が出て
「これから全身に広がるのだろうか…。」
と不安に思われることもあるかもしれません。

身体に湿疹(炎症)があるうちは、血液中に湿疹部位から出た炎症物質が交じり、体をめぐります。
つまり、身体が炎症しやすい状態は続いていて、次に滞っていた部位に湿疹が出ると考えます。

でも心配されないでください。
身体にある滞りを順々に取っていくと落ち着いていきます。
加えて内臓の循環を高めれば、丈夫な皮膚や質の良い血液が作られるようになり、滞りも減り、炎症も治まってゆきます。

この時期を一緒に乗り切りましょう。


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[ 2015/09/17 16:17 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

アレルギー値の改善

 継続して治療を続けていると、アトピーやアレルギーの指標とされる、TARCやIgEの値が下がったという嬉しいお知らせを聞くことがあります。TARCは皮膚の炎症度、IgEはアレルゲンに対する反応度で、いわゆる「アレルギー体質」というものが変化してきていることがわかります。

 その全身の炎症度やアレルギー体質は変化してきていても、部分的に残る不調があります。「首の後ろに湿疹ができやすい」とか、「肘の裏がかゆくなりやすい」とか、「額に赤みが出やすい」とか。そういう場合は、薬の効きも悪いことが多いように感じます。それは全身性の不調より、部分的な不調の度合いが大きいことかと思います。

 その部位は人それぞれですし、そのときどきでもあります。だからその場に応じた治療を行ないます。ただ全身性の過剰な反応が落ち着いているので、大きく崩れることはなく、安心です。日頃の継続した治療のたまものです

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[ 2015/04/28 14:11 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

洗い過ぎていませんか?

Are You Bathing Your Baby Too Much?
Improper Care of Infant’s Skin May Increase Risk for Eczema
By Dana Wechsler Linden Nov. 3, 2014
http://online.wsj.com/articles/are-you-bathing-your-baby-too-much-1415031555

あなたは赤ちゃんをお風呂に入れすぎている?
幼児の皮膚の不適切なケアが、アトピー性皮膚炎になるリスクを高める可能性

 ここで科学者は、入浴、汚染物質、室内暖房などが皮膚の保湿機能を妨げ、アレルゲンや微生物からのバリア力を弱めていることがアトピー性皮膚炎の増加に関係していると考えています。

 その一つの入浴。米国小児科学会のウェブサイトでは、乳児の入浴を週3回以下、そして乾燥から肌を保つために入浴直後に無香料、低刺激性の保湿ローションを適用することを推奨しています。

 ヒトは服を着ていると言えど、自然界の動物でここまで身体を洗うことはないでしょう。洗い過ぎることで(まして洗浄剤で)、皮脂や皮膚常在菌といったバリア力を低下させる弊害の方が大きいかもしれません。洗い過ぎない方が、大人の手間も省けますし、いいですね。

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[ 2014/11/07 11:49 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

アトピーのステロイド治療と鍼灸治療

当院が力を入れている疾患の一つにアトピー性皮膚炎があります。
気圧の変化が大きいこの季節はアトピー性皮膚炎の悪化しやすい時期でもあります。

患者さんには少しこまめに通っていただいたり、遠方からの方にはセルフケアのボリュームを増やしてもらったりしています。

こまめな治療は確実に体のつまりをとり、回復を助けます。
当院の患者さんも当初の状態には戻ることなく回復されています。

でも患者さんの生活の負荷や、炎症の状態、体力によって、その回復度合いは違ってきます。

鍼灸で体の循環を促しても、表面の炎症が強いと、炎症に血液を奪われて、内臓がなかなか栄養されません。
私たちの皮膚や粘膜は内臓で合成されたタンパク質でできているので、良い皮膚も粘膜も内臓が強くなければできません。

『症状は強いが、休めない。休みたくない。』

『浸出液が出るような強い炎症が続いている。』

このような場合、「鍼灸一本で頑張りましょう」 とは、なかなか言えません。

どんな病にも、重度の場合と、経過観察できる場合があります。
重度の場合、お薬の使用や入院も時には必要な選択肢だと考えています。


アトピー患者さんが不安を持っておられるステロイド使用ですが、その不安を軽くするのが鍼灸です。

外用ステロイドの副作用とされる、毛細血管拡張による発赤、ニキビやカンジタなどの感染症、皮膚が薄くなるなどの対策ができます。
外用薬は内服と違い、吸収される量が少なく、皮膚にステロイドが沈着する、骨がもろくなる、ムーンフェイス、等は通常起こらないと考えられています。
(身体は通常自分でステロイド様物質を作り、健康を維持しています。
重症の方はその物質が作られにくくなっているといわれています。)

具体的には、そういった副作用や、湿疹の出やすい部位、薬を塗っていても効きが悪い部位というのは、循環が悪くなています。
鍼灸ではその部分の血液やリンパ液の循環不良を改善して、副作用を防ぎ皮膚の修復を助けます。
薬の効果が出やすくなるため、結果的にステロイドを使う期間、量も減らすことができます。

ステロイドは薬の付着した表面のリンパ細胞の動きを止めるもです。
炎症は抑えますが、炎症の原因となる循環不良を取り除くものではありません。
炎症しにくい体を作るためにはお薬だけでは力不足です。

健康な皮膚を作り、また免疫機構にかかわる内臓に血流を促して、炎症しにくい体になるよう、根本治療を目指しましょう。
炎症の程度が軽ければ、鍼灸治療だけでも維持できます。

経過の長い疾患です。
なるべく無理なく、不安も軽く、
安心して生活できるような治療を目指しています。

カテゴリー: アトピー性皮膚炎 / SORA鍼灸院 芦屋
 
[ 2014/10/07 13:47 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

汗の効能

 アトピーの方にとって、「汗」にいいイメージはありません。汗が刺激となって、かゆみが増したり、キズがしみたり。だからあまり汗をかかないように気を付けがちですが、悪い面だけでもありません。

 汗には、保湿機能、感染防御機能、といったメリットもあります。アトピー性皮膚炎のお肌といえば、乾燥皮膚と、防御機能の低下です。汗にそのどちらも補う機能があるとなれば、もう悪者とは言えません。

 汗の肌に対するデメリットといえば、水分とともに排出される塩分とミネラルです。汗を放置し水分が蒸発することで、刺激となり、菌も繁殖しやすくなります。汗腺がつまれば、あせもなどの皮膚トラブルにもつながります。汗をかいたあとのスキンケア(水で洗い流す、濡れたタオルを当ててふき取るなど)で、対策できそうです。

 毎年汗をかく季節に皮膚炎が悪化する方もおられますが、逆にこの暑い時期の方が肌の調子の良い方もおられます。アトピー症状には、いろんな要因が影響していて一概には言えませんが、乾燥肌の方には、汗が良く働いているように感じます。スポーツをして汗をしっかりかいているときには、肌の調子がいいこともよくあります。(きっと汗だけの効能ではありませんが)

 汗には、体温調節機能もあります。汗をかけなければ、熱中症にもかかりやすいことでしょう。暑いときにはいい汗、しっかりかきましょう。

カテゴリー: アトピー性皮膚炎 / SORA鍼灸院 芦屋
 
[ 2014/07/25 18:22 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

冬の手荒れ

 冬は肌の乾燥を特に感じます。肌の弱い方にとっては尚更です。さらにつらいのが、手先の肌荒れ。キズがぱっくり割れているような指を見ると、見てるこちらもつらくなります。家事や仕事にも差支えが出てくるので、何とかならないものでしょうか。

 指とはいえ、皮膚には変わらないので、他の部位のスキンケアとはそう変わらないと思います。保湿してそれをカバーです。特に「カバー」。乾燥による角層のほころびを補うように、バリア機能を上げることが重要です。界面活性剤が主のクリームだけをつけていてはダメです。むしろ皮膚の大事な脂まで分解してしまい、余計に肌を乾燥にさらしてしまいます。(界面活性剤は、洗剤と同じ。キズにはつけません。) ワセリンなどの油で覆い、乾燥を防ぐことが必要です。お風呂上りなど肌がしっとりしているときは、このバリア力を補うだけでも十分ではないかと思います。

 さらにキズを修復するためには、体液循環を促します。実際、手が荒れやすかったりキズの治りが悪い方は、手先が冷えていたり、そのもとの筋肉がこわばっています。まずはそこのコリをとって循環をよくしてあげると治りも早いです。指先の荒れがひどい方は、指と指の間に鍼を通したりもします。ちなみに指の間にできるこんな小さなローラー鍼もあります。
プチローラー鍼

 鍼灸師も手洗いなどで手が荒れやすい職業だと思います。触れる手がカサカサで不快にならによう気をつけています。

カテゴリー: アトピー性皮膚炎 / SORA鍼灸院 芦屋
 
[ 2013/12/20 12:32 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)

アトピーによる不眠症

 アトピーの方に、不眠症であったり眠りが浅い方は少なくありません。とくに、炎症が全身性に出ている方や、頭部(顔)に集中的に出ている方は、睡眠の質も良くありません。

 ひとつは、かゆみ。お風呂上がりや、睡眠前でリラックスしているときなどは、かゆみが増すこともあります。かゆみによって、寝つきが悪くなります。また、日中は掻く行為を我慢していても、就寝中は掻きむしってしまうこともあります。それによりキズがまた増え、皮膚の修復も遅らせますし、さらにかゆみを呼びます。無意識なのでやっかいですが、爪を短く切って、キズを最小限にすることも一つの対策です。

 かゆみでなくとも、炎症しているということは、神経を活動させます。それが頭部であれば、より不快な情報として脳へ入っていきます。逆に言えば、頭部の不調を整えれば、神経の興奮も抑えられ、睡眠の質を上げることにもつながるでしょう。寝る前のローラー鍼ケアは、効果的です!

カテゴリー: アトピー性皮膚炎 / SORA鍼灸院 芦屋
 
[ 2013/11/09 12:10 ] アトピー性皮膚炎 | TB(0) | CM(0)
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